2008年7月23日水曜日

ツール・ド・フランス2008 第17ステージ

今年のツールで最も過酷であり、総合の行方を決定付けるだろうと言われる第17ステージ。
ガリビエ峠、クロワ・ド・フェール峠と超級山岳二つを越えながら200kmを走り、最後は伝説の超級山岳、ラルプ・デュエズを登って頂上ゴール、って正気ですかコレ。 そしてこのステージを前にして、総合争いは1位のフランク・シュレックから4位のカルロス・サストレまでの差が1分以内。

最強チームCSCは、果たしてシュレック兄とサストレのどちらで勝ちに行くのか?またタイムトライアルを得意とする総合3位のエヴァンスに充分なタイム差をつけることは出来るのか?逆にエヴァンスは鉄壁の包囲網をかいくぐってラルプ・デュエズのゴールまで喰らいついていけるのか? こんな面白そうなステージを、低画質のストリーミングとテキストライブで済ますのはもったいない。ツールを店内放送しているバー、HUBへ観に行ってみた。




まずは久々に無敵家に行って腹ごしらえ。5年ぶりぐらいかも…。うーん、美味しいのは確かだと思うのだが、ここまで並ぶか?

池袋に二軒あるHUBのうち、音声込みで放映してるのは片方、ということでしばし迷った後到着。スポーツバーとかパブリックビューイングに行ったことが無いので、果たしてどんな雰囲気なんだろうと思いつつ入ってみた。 店内の雰囲気はいたって普通。普通に飲んでる人が9割、モニタ近くの席に張り付いてる自転車乗りぽい人が数人で、とてもツール一色って感じではない。まぁサッカー日本代表の試合みたいに、同じ選手とかチームを応援する一体感を求めて来る人がいるわけでは無いし、当たり前といえば当たり前だがちょっと寂しい…。

一人でナッツをかじり、ビールとカクテルをちびちび飲みつつ観ているうちに、ぼちぼちと観戦組が増え始め、ツールはクロワ・ド・フェール峠にさしかかる。そして登りなのにカンチェラーラが曳く曳く曳く!!  山岳が得意な部類では無いはずのカンチェの曳きで、集団からどんどん選手が振り落とされていく。山岳でエヴァンスをアシストするはずのヒルクライマー、ポポヴィッチまでを引きちぎって猛進するカンチェラーラ列車マジSUGEEEE!!とか観戦組が盛り上がってきたところで、前のテーブルで観戦していたお二人から「一緒に観ませんかー」というお誘いがあって、一緒に飲むことに。わーい。

自分よりも少し年上のお兄さんとお姉さんで、普段は荒川走ったり定峰登ったりしてるとか。もしかしたら走ってて会ったこともあるのかも…。意気投合して、過去のツールの話とか、今年の今までの展開とか色々話してるうちに、ツールはラルプ・デュエズへ向かう。クロワ・ド・フェールの頂上手前で仕事を終えて一旦遅れたカンチェラーラが下りと平坦で集団復帰してまた曳いてるΣ 

「カンチェ、あのペースで山登れるなら総合狙えるんじゃないですか?」
「だよな~」

 そうこうしているうちに集団はついにラルプ・デュエズにさしかかり、ここからがクライマックスだ! そう思った瞬間、サストレが凄い勢いでアタック。あっという間に集団を引き離して駆け上がっていく。これは現在1位のシュレック兄じゃなくてサストレがエースということなのか?それともサストレのアタックが自爆覚悟の罠で、あくまでエースはシュレック兄、もしエヴァンスがサストレ追って消耗したらシュレック兄が刺す、という作戦なのか? こりゃエヴァンスにしてみれば相当嫌だろうなぁ…。何か常に二択攻撃をかけられ続けてるような感じ。しかもアシストのポポヴィッチが千切れてて周り全部敵。サストレを追おうとしてアタックかければ周りが潰しにくるし、じゃあ他に誰かサストレ追うかといえば誰も追わない(追えない?)。

じゃあチームCSCがもう勝利を確定的なものとしたのか?といえばそうでもない。個人タイムトライアルに強いエヴァンスを倒すためには、このステージで数分の差をつけなければならず、サストレに追いつけないとはいえ、決してメイン集団から遅れることなく登るエヴァンスには内心かなり焦ってそう。 「シュレック兄、マイヨ・ジョーヌ着てるならここでアタックしなきゃ駄目だろ!!いけいけ!」という声も上がる中、シュレック兄とシュレック弟のマイヨ・ジョーヌ&マイヨ・ブラン兄弟はエヴァンスをマークし続け、サストレは逃げ続ける。

こりゃこのステージはサストレで確定か?と思ったあたりで非情の終電限界が…(;_;) そのうち荒川で会いましょうと座を辞して駅へスプリント。うおおおもうちょっとだけ終電遅ければ最後まで見れたのにーーorz

帰ってから結果を見ると、やはりステージ優勝はカルロス・サストレで、エヴァンスとの総合タイム差は2分15秒。…なんて微妙な差。マイヨ・ジョーヌの行方は結局最後の個人タイムトライアルまで判らなさそうだが、今までのタイムトライアルの成績見るとややエヴァンス有利? そして思い返すと、やっぱりエースはサストレで、シュレック兄弟でメイン集団の追走を潰す、という作戦だったみたい。

しかしTT世界チャンピオンの鬼曳きでライバルを振り落とし、マイヨ・ジョーヌとマイヨ・ブランの選手で追走を潰す、って何て贅沢な作戦なんだCSC。 そしてHUBでの観戦は飲み物が結構高いのを除けば、他のロードレースファンの方と知り合いになれたりして、かなり良いものだなと。…しかし今度一緒に走りましょうと言いつつ、終電ぎりぎりになったりで連絡先を伺いそこねたのが残念(;_;)

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