去年はヴィノクロフ→ラスムッセンと、ハイパフォーマンスを見せていた注目選手がドーピング発覚、もしくは疑惑で消えて行き、最後はコンタドールが獲ったツール・ド・フランス。
今年はそのコンタドールを擁するアスタナチームが、主催者に招待されず出走しない、という実に盛り下がった展開で始まった。去年、ヴィノクロフ他複数名のドーピングが発覚したアスタナを主催者が嫌ったから、というのが理由なのだろうけど、監督と選手のほとんどが入れ替わり、機材含めて中身はほぼ去年のディスカバリーチャンネルなのに…。
そんなこんなで、2007年ブエルタ、ツール、ジロの覇者三人が揃ったジロ・デ・イタリアのが今年は面白いとか散々な言われよう。総合優勝マイヨ・ジョーヌ争いは、昨年2位のカデル・エヴァンスに並ぶ選手がいないので、あんまり盛り上がっている感じがしない。しかもエヴァンスは派手にステージ優勝するタイプでなく、10位以内ゴールを積み重ねて気が付いたら総合トップ、という忍者みたいな選手なので尚更。
では最速スプリンターの称号、マイヨ・ヴェールは? こちらはこちらで、昨年度マイヨ・ヴェールのトム・ボーネンが何とツール直前にコカイン疑惑で不出場orz ボーネンと並び称される最速スプリンター、ペタッキは喘息治療薬の過剰摂取で一年間の出場停止処分中orz ジロ2008のマリア・チクラミーノ(ジロにおけるマイヨ・ヴェール)ベンナーティはジロで頑張りすぎたのか怪我して不出場orz …書いててこれはマジで駄目かも、と思った。
がしかし、1レース1レースの展開はとても面白い。ここ数年来目立ってなかったフランス選手が大逃げ決めてしまったりとか、新進気鋭のスプリンター、カヴェンディッシュがとんでもないゴールスプリント加速を見せつけてくれたと思ったら、山岳ステージ開始序盤で既に顔が相当嫌そうだったりとかw
TT世界チャンピオンのカンチェラーラと逃げの達人フォイクトがとんでもない速さでメイン集団を曳いてライバルチームの有力選手を振り落とし、総合10位以内に2人を送り込むチームCSCのチーム力と戦略は、現在のロードレースがいかにチームスポーツなのかを判り易く教えてくれるし、山職人を揃えたサウニエル・デュバル勢の山岳での活躍も見てて楽しい。
「総合なんか興味無いよー」と言いつつ、本人も相当意識してるらしいマルコ・パンターニばりのフォーム&スピードでピレネーを駆け上ったリカルド・リッコは、この先も何かやらかしてくれそうで期待が持てた。もしかしてパンターニの持つラルプ・デュエズ登坂レコード更新を狙ってる?? とまぁ、見始めてみると見所はたくさんあるツール・ド・フランスなのだった。が、しかしここに来て今年も悪夢のようなニュースが。
リッコ、ドーピング陽性! orz
EPOらしいが、そんなとこまでパンターニの再来にならなくても! 思ったことを余りにそのまま言い過ぎる性格のため、余り好きな選手ではないのだけど、前述の通りレースを面白くしてくれる選手なのも間違いなく、いつの間にかわくわくしながら見てたのに…。何かやらかす、とは言ってもこれは勘弁だ。
ただ、リッコは体質的にヘマトクリット値(≒血液中の赤血球量)が高く、それが原因でプロ契約がなかなか出来なかったのを、「体質です」というUCIのお墨付きを得てプロになった、という経緯がある選手。ヘマトクリット値が低すぎて健康診断に引っかかるような自分には羨ましい体質なのだが、元々そういうヘマトクリット値が高い人にEPOを投与した場合、数値が上がりすぎて安全基準を超えてしまい、出走出来なくなる危険性がある(ドーピングと判定されなくても)。などなどということを考えると、ここでリッコがEPO打つ可能性は低いと思うんだがなぁ…。体質、ということになってたのが元々ドだった、とかだったらもうどうしようも無いけど。
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